JFAサッカー指導教本2020 第三章:プランニング②
バタコーチです。
今日は、JFAサッカー指導教本2020 第三章:プランニング、その2です。
第三章:プランニング
前回の続きで第三章の12項のうちプランニングの考え方にフォーカスした第5項から第10項までを紹介します。
5.ゲームを想定したプランニング(全面性)
ここでは「トレーニングはサッカーの本質から離れないこと」「ゲームに近い状況でのトレーニングが重要」とあります。第一章で記載されているサッカーの特性を多く含んだトレーニングが有効ということだと解釈しましたが、これは選手の年齢によって変えていっても良いかと思います。低年齢ではまだ想像力が希薄で本質から離れたトレーニングからゲームの状況をイメージすることは難しいので、よりゲームの状況に近いトレーニングのほうが有効かと思います。しかし中学生以上にもなれば単純なドリルトレーニングでもゲームをイメージしながら各自工夫することも可能でしょう。
6.プレー機会の確保(反復性)
ここでは「プレーすることで上達する」「待ち時間が長いと成長しない」とあります。いかに程よく選手にプレー機会を与えるオーガナイズを選手に提供できるかが大切かと思います。これは各練習メニューの合間の給水時のメリハリや練習前後の指導者からの話の長さなどにも言えることかと思います。
7.難易度の調整と斬進性(斬進性)
ここでは「難しすぎても、易し過ぎてもいけません。選手が自ら工夫して課題を克服するようなオーガナイズが最も良い」とあります。練習の中で選手の様子を見て、必要があれば広さや人数などルールを変えて選手が一番楽しそうに取り組める条件を探る必要があるかと思います。更に選手によって合う、合わないがありますので、一人としてつまらないと感じないようなオーガナイズにすることは難しいですが常に意識していきたいですね。
8.テーマにフォーカス(意識性)
ここでは「テーマを絞りましょう」とあります。あるあるですが、目についたプレー全てにコーチングしてしまい、トレーニングの目的が曖昧になってしまうことがあります。まずトレーニングの前に選手に改善してほしいプレーを明確にして、その点に絞ってプレーを観察することが大切だと思います。更に言えば改善したいプレー(テーマ)が頻出するオーガナイズになっていないといけないということですね。
9.選手個々に応じたプランニング(個別性)
「個性を生かすプランニングにしましょう」とあります。基本はゲームを分析して課題や伸ばしたいプレーをトレーニングのテーマにするため、選手個々の課題については対応していないことが多くなるかと思います。選手によっては1点改善すればぐっと良くなりそう、という分析結果であれば、次の練習では対象選手のためのメニューを考案して、他の選手全員に協力してもらうようなこともありかもですね。
10.リアリティとクラリティ(現実性&明瞭性)
・リアリティ:ゲームの状況に近いオーガナイズ。テーマに迫る状況が起きにくい。
・クラリティ:明確にテーマに迫るオーガナイス。ゲームの場面をイメージしにくい。
一般的には、クラリティ⇒リアリティに比重を上げていき最後はゲームで締めるような流れになるかと思います。一日で行うトレーニングの中でどちらかに偏り過ぎることがないようにして、選手が最後まで楽しくテーマに取り組めるようにしていきたいですね。
今回はここまでです。次回は、第三章:プランニングの第11項から紹介したいと思います。
では
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