JFAサッカー指導教本2020 第二章:ゲーム・プレーを分析する③
バタコーチです。
今日は、JFAサッカー指導教本2020 第二章:ゲーム・プレーを分析する、その3です。私なりの解釈で記載していきます。
第二章:ゲーム・プレーを分析する
分析の観点~何を見るのか
ここでは分析を行うにあたり、「選手のプレーは『状況把握⇒判断⇒実行』の連続で成り立っている」「ミスの原因が『状況把握、判断、実行』の何に問題があったのかを見極めなければならない」とあります。その上で分析をやりやすくするために、観点を絞ることとあり、4つの分析の観点について解説されています。
1.サッカーの目的による分析
ここでは「4つの局面」と「ボールの有無」で8つの状況に分け、サッカーの目的に沿ったプレーの言語化がされています。4つの局面とは以下のように定義されています。
a.攻撃
b.攻撃から守備への切り替え
c.守備
d.守備から攻撃への切り替え
また、ボールの有無とは以下の2つです。
・自分がボールに直接関与する位置でプレーしている状態(オン・ザ・ボール)
・自分がボールに直接関与できない位置でプレーしている状態(オフ・ザ・ボール)
これらの組み合わせでできた8つの状況と望むべきプレーが以下のように表になっています。
a.攻撃 | b.攻撃から守備への切り替え | c.守備 | d.守備から攻撃への切り替え | |
基本的な考え | ゴールを目指す ゴールを狙えないときにはボールを奪われないようにする |
素早くボールを奪い返す ゴール方向へ戻り、攻撃を遅らせる |
自陣のゴールを守る 相手に突破されないようにしつつボールを奪いに行く |
素早くゴールを目指す ボールをすぐに失わない |
オン・ザ・ボール | ドリブルやパスでゴールへ向かう | ボールを奪い返しに行く | ボールを奪いに行く | ボールを前方に運ぶ |
オフ・ザ・ボール | ゴールへ向かう動きをする ボールを奪われないようにサポートの動きをする |
カバーリングをする ゴール方向へ戻る |
ボールを奪いに行っている選手のフォロー 相手選手の突破についていく |
ボールをすぐに失わないようにパスを受ける動きをする |
私なりに、選手たちにどのように伝えようかと以下のように考えてみました。
・選手個人ができているかという視点とチームとして分担してできているかという視点で見る必要がある
・切り替えの局面では、選手が今の状況から次に起こる現象(マイボールになるのか、相手ボールになるのか、ルーズボールになるのか など)を予測してプレーできているか
・切り替えの局面の定義として、ボールの所持チームが移ったあと「3秒」を切り替えの局面とする。(ボールを奪い返すやゴールへ戻るなどの動きを3秒全力でやる)
・個々人が状況をみて判断したときに全員がチームとして噛み合う可能性は低いので、各局面での個々人での役割を明確にするためにポジションを決める、ということを選手に理解してもらう。
選手が局面において状況把握ができているか、把握していて正しい判断ができているのかを分析する必要があると解釈しました。
2.プレーの原則による分析
ここでは攻撃におけるプレーの言語化と、攻撃に対する守備の言語化がされています。
攻撃:突破。ゴールに向かうプレー
守備:遅らせる。ボールとゴールの間に入ることで攻撃の邪魔をする
攻撃:幅と厚み。守備の薄いところからの攻撃を試みる。またボールを失わないようにして攻撃を維持する。
守備:集結と厚み。ゴール前などボールとゴール間に選手を集めてゴールを守る。またボールを奪うチャンスを伺う
攻撃:活動性。ボールを失わないようにしつつ、個々の選手が様々な動きを駆使して守備組織を混乱させて守備の薄い場所を作り出す
守備:バランス:攻撃の活動性に対しマークの徹底やスペースを埋めるなど安定した対応を行う
攻撃:即興性:選手の創造性やひらめきでゴールへ突破する
守備:自制:攻撃のアイデアに惑う事なく観察し粘り強く対応する
各々の選手が原則を理解した上で、チームとしてベストな判断を原則に則りプレーしているかを分析する必要があると解釈しました。
3.サッカーのテクニックによる分析
4.サッカーの基本戦術による分析
テクニックと基本戦術については、後に各単体で章が設けられているほど奥が深いものになっています。テクニックにおいては状況把握や判断ができているがプレーが失敗したときにその原因となるものだと思います。この2つについては、また後程の各章で詳しく解釈していきたいと思います。
今回は以上です、次回は「ピッチ上の位置での分析と原則」について書きたいと思います。
では
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